北海道の初山別村(しょさんべつむら)は、北海道北西部・留萌振興局管内に位置する人口1,000人未満の小規模な自治体である。以下、村の特徴を総合的に整理する。
【歴史】 初山別村の地名はアイヌ語に由来し、「滝がそこで流れ出ている川」という意味とされている。明治時代に和人の開拓が進み、1900年に戸長役場が設置され、1909年に正式に「初山別村」となった。1965年には字名「初浦」を「初山別」に改称、1989年には日本最北の天文台である「しょさんべつ天文台」が開設された。
【観光地と名所】 村は日本海に面し、みさき台公園をはじめとする観光資源に恵まれている。公園内には道の駅「☆ロマン街道しょさんべつ」、キャンプ場、金比羅神社、展望台、しょさんべつ天文台があり、夕日や星空の名所として知られる。初山別温泉(岬の湯)や有明ダム、東山樹園などの自然観光スポットも点在する。また、夏には「しょさんべつ岬まつり」、秋には「有明獅子舞」の奉納が行われている。
【人口と経済】 村の人口は長期的に減少しており、現在は1,000人を下回る。主要産業は漁業と農業であり、フグやタコ、ハスカップ、ミニトマトなどが特産品である。天然マフグを使った照り焼き丼などの地域グルメもある。新規就農支援などによって若年層の定住を促している。近年では風力発電プロジェクトの計画や地域おこし協力隊の活用による活性化が進められている。
【行政】 村役場は字初山別に所在し、村長は宮本憲幸氏が務めている。村長選挙は長らく無投票が続いており、地域の行政安定性が高いとされる。行政サービスは留萌管内他町村との連携により維持されている。
【教育】 村内には初山別小学校および初山別中学校があり、少人数教育が行われている。高等学校は存在せず、近隣町の高校へ通学する。奨学金制度や通学支援も整備されている。
【交通】 鉄道は廃止されており、現在は沿岸バスなどの路線バスが交通の中心である。国道232号が村を縦断し、札幌市へは高速バスで約4時間。最寄り空港は稚内空港または旭川空港で、いずれも村から2〜3時間の距離にある。自家用車が主な交通手段である。
【移住支援】 村では空き家バンクの整備、住宅改修助成、無利子住宅資金貸付などにより移住者の住環境整備を支援している。農業への新規参入者には研修支援金、家賃補助、旅費補助を行い、独立就農を支援している。子育て支援として医療費助成、保育料軽減、出産祝い金などが用意されており、定住促進に寄与している。
初山別村は、自然環境と地域資源を活かしながら、人口減少に立ち向かうための取り組みを多方面で進めている自治体である。
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